みなさん、こんにちは!

 

今回は、法令はその構造から、必然的に条文がリンクするものがあるということ、そのリンクしている条文を同時に覚えることが大事だということをお話します。

 

さて、ここまで大雑把に「法令」という言葉で解説してきましたが、今回のテーマとも関係するので、これからはより正確な表現をしていきますね。「法令」とは、「法律」と「命令」のことです。この法律の「法」と命令の「令」を合わせて「法令」ですね。より正確には憲法や条約など様々ありますが、私達の試験で関係してくる「法令」は、「法律」と、「命令」の種類である「政令」と「省令」及び「通達」のみなので、それに絞ってお話します。

まず「法律」とは国会が制定するもの、「命令」とは国の行政機関が制定するもの、その「命令」の中の「政令」とは内閣が制定するもの、「省令」とは各大臣が制定するものを言います。もう、ややっこしくて頭が痛いですね。どのような機関が制定するものかだけで、もう一度まとめてみますね。( )内が制定する機関とします。では、まとめてみます。

 

法律は(国会)、政令は(内閣)、省令は(大臣)

 

はい、これだけでいいです。さあ、こう並べてみると、法律は国民の代表の議員達が会する国会で決する訳ですから、その分野の一番の取り決め事ということになりますね。さて、その法律を実施、法律用語では施行といいますが、施行するためには、その法律の趣旨に沿って、より具体的な取り決め事や命令が必要になってきます。それを政令や省令として施行する訳です。ですから、法律という大元があって、それを施行するために、より具体的な取り決め事を決める訳ですから、法律の条文と政令や省令の条文がリンクするのは考えてみれば当たり前のことですね。

 

はい、前置きよりも私達の試験に関係する法律、政令、省令を具体的にみてみましょう。

法律は、道路運送法と道路運送車両法、タクシー業務適正化特別措置法この3つですが、この講座では全国共通の範囲ということで、特措法は省略させていただきます。

まず、道路運送法に紐付いていく政令は、道路運送法施行令です。そしてその下に紐付く省令に、道路運送法施行規則・旅客自動車運送事業運輸規則・旅客自動車運送事業等報告規則・自動車事故報告規則があります。
 もうひとつの法律、道路運送車両法に紐付く政令は、道路運送車両法施行令です。その下に省令として、道路運送車両法施行規則・自動車点検基準・道路運送車両の保安基準があります。さて、実際にリンクしている条文の例をみてみましょう。

 

 例 道路運送法 第3条「国土交通省令で定める乗車定員」 道路運送法施行規則 第3条の2

 

道路運送法第3条 第1項第1号のロとハの中で、「国土交通省令で定める乗車定員」という条文がありますね。はい、この「国土交通省令」というのが、お話ししてきた「省令」です。私たちの事業を管轄するのは国土交通省なので、国土交通大臣が制定するものが「国土交通省令」という言葉で出てきます。この場合で言えば、乗車定員の具体的な人数が国土交通省令のどこかに定められている訳です。そして、国土交通省令のひとつである「道路運送法施行規則」を探してみると、「第3条の2に 法第3条第1号ロの国土交通省令で定める乗車定員は、11人とする。」という条文を見つけることができます。

 

このように、法律をより具体的に定義しているのが分かりますね。なぜ、法律に直接11人と書かないかと言えば、車両の大型化や社会のニーズの変化などで乗車定員の基準が変わったときに、法律を改正するのは国会の議決が必要でかなり手続きに時間がかかりますが、大元を法律で決めておいて、いろいろな要因で変化する部分は省令で定めておけば、大臣が必要に応じて制定できるからです。

 

このように、暗記するときに、道路運送法の1条から順番に暗記するより、リンクしている条文は必ずその政令や省令を辿って一緒に覚えるのがより大事になる訳です。数年前の「実務必携」から、このリンク関係を※印で注記してくれるようになっています。以前は、全部自分で探さねばならなかったのですが、より、親切なテキストになっていますね。もし、古い実務必携を使っていて、リンクの注記がない方は、法律の中で「国土交通省令で定める」などの言葉が出てきたら、関連する省令のどこかに定めているということなので、大変ですが探してみましょう。

 

 

さて、第2回から今回までは、必要と思われる基礎や法令との取り組み方を中心にお話ししてきましたが、これ以降は、より実践的な問題について考えていきましょう。次回は、「例外なし条文」というテーマでお話ししたいと思います。