みなさん、こんにちは!

 

 前回に引き続き、様々な「運賃及び料金」問題をみてみましょう。

 

(平成287月 近畿運輸局
例題1 時間制運賃による契約の場合は、タクシーメーター器にカバーをし、前面に「賃送」 の表示をす

     るものとします。

 

(解説)

冠婚葬祭の貸切などの仕事を実際にした経験のある方は、すぐ×と分かりますね。まず「時間制運賃」は、「あらかじめの特約 = 下車の際に支払いを求めない、後払い」で、メーターを入れないで「実車走行」する訳です。メーターはそのままだと「空車」でお客様を乗せてしまうことになりますから、メーター器にカバーして、前面に表示するのは「賃走」ではなく、「貸切」にする訳です。

 

(オリジナル例題)

例題2 タクシー事業者は、運送の途中において旅客の都合により車両を待機させる場合は「予約車」を

   車外に向けて表示しなければなりません。 ○

 

(解説)

 ここ数年の過去問を調べたところ、近年は出題されていません。本通達には触れられておらず、各都道府県別に出されている「ハイヤー・タクシー車両の表示等に関する取扱について」で規定されている「予約車」をどのようなときに表示するかの問題です。各都道府県で多少規定が違いますが、例題の内容についてはみな同じ規定です。稀に出題されるかも知れませんので、「予約車」はどのようなときに表示するのかハッキリさせておきましょう。

 

(平成287月 九州運輸局
例題3 一般乗用旅客自動車運送事業の標準運送約款には、運賃及び料金は、いかなる場合でも、運賃

     料金メータ器の表示額によることが規定されています。

 

(解説)

  「運賃の種類」で、今まで見て来た「時間制運賃 = メーターで収受しない、後払いの特約」があることをハッキリ押さえていれば、簡単な問題ですね。「いかなる場合でも」とあるので、正解は、×です。

 

例題4 身体障害者割引は、身体障害者福祉法による身体障害者手帳を所持している者に適用するもの

   とし、営業的割引条件にも該当する場合は、いずれか高い率を適用し、割引の重複はできません。

 

(解説)

  この「割引」に関するものもよく出題され、様々なパターンがありますが、みなさんが実務で行っていること通りなので、それを当てはめればほとんど正解できると思います。この例題を実務で想起すれば、身体障害者手帳利用の方の1割引きの他に割引券などがあれば、両方使えますよね。例題は「割引の重複はできません。」となっているので、×ですね。

 通達では、

 

適用方法

() 公共的割引は、メーター表示額から割引相当額を減じる方法による。

() 公共的割引は、遠距離割引及び営業的割引と重複して適用するものとするが、公共的割引のうち、

複数の割引条件に該当する場合は、いずれか高い率を適用し、割引の重複はできないものとする。

 

 「公共的割引」には、「身体障害者割引」「知的障害者割引」などがありますが、()で規定されている様に、「公共的割引」と「遠距離割引及び営業的割引」の重複はOK、ただし、「公共的割引」が複数あっても、それはいずれか高い率の方しかダメですという決まりです。

 

(平成283月 中部運輸局
例題5 距離制運賃の初乗距離は、各事業者が設定します。

 

(解説)

  簡単そうで、意外に正答率の低い問題かもしれません。「運賃及び料金」は「認可」が必要と覚えたので、「初乗距離」も各事業者が設定するものだろうと勘違いしていないかのひっかけ問題です。正解は、×です。「認可」を受けるのは、あくまで「運賃及び料金」で、「初乗距離」は、通達にあるように「各運賃適用地域」ごとに「地方運輸局長(沖縄総合事務局長を含む)」が定めます。

 

例題6 タクシー事業に係る料金のうち、待料金、迎車回送料金、サービス指定予約料金以外のその他

   の料金は、不当な差別的取扱いをするものでなく、かつ、旅客が利用することを困難にするおそれ

   がないものである場合に設定できます。

 

(解説)

  以前は、あまり出題されていませんでしたが、近年よく出題されています。通達通りなので、正解は○です。「料金の種類」は、今までいろいろなところで触れてきましたが、この「その他の料金」は実態的なものがないとされてきました。私見ですが、近年、需要喚起のために事業者が「お買い物代行サービス」や「子育て支援サービス」など様々な試みが全国的に展開されているので、出題が多くなってきたのではと思います。

 

(平成2711月 北海道運輸局

 

例題7 道路運送法の規定により、タクシー事業者が運賃改定に係る申請を行ったときは、当該事業用自

   動車の車内にその旨を掲示しなければなりません。

(解説)

  この講座の最終に近いところで予定している「該当条文なしの問題」で触れようと思っている問題のひとつですが、例題にあるような「車内掲示」を義務付けた法令はありません。なので、正解は、×になります。

 

例題8 運賃改定とは、地方運輸局長(沖縄総合事務局長を含む。)が定める運賃適用地域において普

   通車(普通車の車種区分がない地域においては地方運輸局長の定める区分による車種別)の最も

   高額の運賃よりも高い運賃を設定することをいいます。

 

(解説)

出題頻度はあまり高くありませんが、出題されると非常に正答率の悪い問題です。ここまでの問題で見て来た通達とは別の通達「一般乗用旅客自動車運送事業の運賃料金の認可の処理方針について」の一番初めに触れられています。正解は○です。この「運賃改定」の定義のキモは、「普通車」の「最も高額の運賃」よりもさらに「高い運賃」を設定するということです。問題に「普通車」が入っていなかったり、「最も高額」がなかったり、ましてや「運賃を下げる改定」的な表現が入っていれば、すべて×になります。

 

(平成2711月 東北運輸局

例題9 事業者が認可を受けている運賃及び料金を変更しようとする場合の認可申請書には変更の理由

   を記載しなければなりません。

(解説)

  根拠条文は、道路運送法施行規則 第10条の3 第1項第4号「変更の認可申請の場合は、変更を必要とする理由」とあるので、正解は○になります。ひっかけ問題としては、「変更」の部分を「設定」にして聞いてきます。「設定」には「理由」は書かずに認可申請するので、×になります。

 

(オリジナル例題)

例題10 経営者である個人タクシー事業者は、時間制運賃のみを設定して事業を経営することもできます。

 

(解説)

  「個人タクシー事業者に限っては」の回で、数少ない個人タクシー事業者に認められた2つの特例をみてきましたが、これは逆に、一般のタクシー事業者には認められていて、個人タクシー事業者はNGなものです。通達の「時間制運賃の適用方法」の一番最後に、「個人タクシー事業者にあっては、その事業特性に鑑み、時間制運賃のみを設定することはできないものとする。」とあるので、正解は×です。ひらたく言えば、個人タクシーでハイヤー的営業のみをすることはできないということです。

 

 2回にわたって極力、ここ数年の最新問題から「運賃及び料金」の問題をピックアップしてみました。出題のされ方としては、まだ様々ありますが、基本的にはこれらをしっかり押さえれば他のパターンもほとんど対応できると思います。

 

 ここまで、重要な「事業計画」「運送約款」「運賃及び料金」に関する様々な問題を中心にみてきましたが、次回は「旅客に対して」という視点から、様々な問題を考えてみる予定です。

  

 今回も、ご覧いただきありがとうございました。